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僕に出来ることはなんだろうとずっと考えていた。
「龍二君!もうすぐ着くよ!」
それは子供の頃からずっと変わらない。
「そうですね。澤木さんには7、8人って言われたんですが、そんなにいますかね?」
でも答えなんて見つからないし、何も出来ない。
「どうだろうね。この道を少し下れば……あっ!」
時々泣きたくなるんだ。
結局自分は、何も出来ない人間なんじゃないかって。
「…いましたね。え~っと…ひぃ、ふぅ、みぃ…結構いるみたいです」
誰かの為…そんな大それたこと考えていなかった。
自分の為に何かをした時、その延長線上にいた誰かが幸せになれたとしたらそれは良いことじゃないか…とそんな感じだ。
「さて、説得しなくちゃね。いくら人数がいたとしても全員がついて来てくれる訳じゃないんだし」
でも…
この時、目前にいる子供たちを見て、今までの考えが少し歪んだのを覚えている。
彼らは僕を見て何を感じたんだろう。
少なくとも希望ではないだろうな。
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