45人が本棚に入れています
本棚に追加
『しかし、このゲームは簡単ではありません。難しいというわけではなく、このゲームではある物を賭けてもらうからです。
それは、あなた方の命。
一歩判断を誤ればあなた方は死ぬ事になるでしょう。決して生き返ることは出来ません。それを念頭に置いてプレイしていただきますよう。
それでは、今から出す物をつけてゲーム開始です。なお、そのアイテムの使い方は各自で見つけてください。きっとあなた達の助けになるでしょう』
そこまで読み終えた時、見計らったように突然画面が暗くなった。省力モードに入ったからではない。一瞬で色を暗闇にした、いわば電源を落としたような画面になったのだ。反射で電源ボタンを押した直後、何の脈絡もなく画面から何かが飛び出してきた。
さながらぎゅうぎゅう詰めにされた物のように小さく丸まっていたそれは、勢いよく携帯電話の画面から出てきた。画面を覗きこんでいた彼の眉間に強く打ち付けた後、その物体は彼の側の草むらに転がる。
痛む眉間を呻きながらさすり、なおも携帯電話の電源ボタンを押し続けてみるも変化は無い。原因不明の故障に匙を投げて、彼はそれをズボンのポケットにしまい込んだ。
足元に転がっている物に視線を向けてみると、そこにあったのは繋ぎ目など無い腕輪であった。しかし、その真ん中には球体が取り付けられている。拾い上げて大きさを確認してみると、それは親指ほどの大きさで、加えて宝石のように色がついていた。ルビーを思わせる赤に勇はしばしみとれる。
最初のコメントを投稿しよう!