秘密

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秘密

「皆、ジュース飲む?おごるよ!」 思わず言葉がこぼれた。 …バレバレだ…。 案の定、女子社員の一人が「ニンマリ」しながら言う 「早いねぇ、もう目付けたの?」 図星だ…、何も言い返せなかった。 「駄目だよ、香奈ちゃん旦那さん居るから。フフッ。」 もう一人の女子社員もそう言いながら「クスッ」と笑った。 「そうかぁ、旦那持ちかぁ…。」 「ふぅっ」と息を吐いて「キュッ」と肩をすくめた。 それから何日か経って、彼女とも大分仲良く話すようになっていた。 そんな頃、休憩中に不意に彼女と2人だけで話せる時間が出来た。 当たり障りの無い会話が弾んで来た頃、 「ずっと思ってたんだけど、…ゴメンね変な事言うけど…香奈ちゃんって可愛いよね!」 立て続けに言うつもりの無かった言葉が出る。 「すげぇタイプなんだ!」 …言ってしまった… 当然の如く彼女は、「驚き」と「戸惑い」と「恥ずかしさ」を表情に浮かべながら 「えーっ!!上手いなぁ。皆に言ってるんでしょぅ?」 笑いながら返して来た。 そこで心が決まってしまった。 「ハハハッ、今度さぁ、一緒に晩飯喰いに行こうよ!」 もう止まらなかった。 そこで他の休憩の人達が休憩室にやって来た。2人は何事も無かった様に皆と会話を始めた。 皆より少し早めに休憩を取っていた2人は、早めに部屋を後にする。 去り際に 「いつ行くか決めておいて。 早めに教えてね!!」 と言い残し、彼女は仕事に戻って行った。 しばらく「キョトン」と考え、ふと我に返る。 「よしっ!!」 言葉と同時にガッツポーズが出た。
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