駄目人間たちに讃歌を

壱:僕と変人奇人

目が覚めるとベッドの上だった。

はて？ いつの間に寝ていたのだろう？

しかも、後頭部と右のほっぺたが痛い。

あ、そっか。昨日殴られてそれきりだっけ。

でも、この部屋、どこだっけ？

確か、羽衣(我が愛しの元凶、いや、我が愛し暴君の方がいいかもしれない)に殴られたのは路地裏だったはずだが。

まあ、それは兎も角。まずは現状確認から……、と思ったがその必要も無いみたいだ。

だって、天井にある某有名巨大ヒーローの顔みたいな模様のシミとか、生活に最低限必要な物以外無い(机の上にあるパソコンは除外)とか、全部僕の部屋の特徴だもん。

｢気が付いた？ 能無し｣

この声は羽衣だ。でも、何故か姿が見えない。