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外はむせ返るような暑さだが、そんな些細な事は感じなかった。むしろ、さっきまで見た光景の方がオドロオドロしくて不快に感じた。
俺達は1階まで降りずに4階の通路からマムシ森を見た。しかし、マムシ森はちょうど通路側ではなくベランダ側に面しているので、見える範囲に限りがあった。
仕方なく1階まで降りて見に行くしかなかった。
おばさんが不安な顔をしながら呟いた。
「大丈夫かしら、出れるところなんて本当にあるのかしら…。」
「大丈夫ですよ!きっとでれますよ!」
全く根拠はなくただ言われた事を否定したくて出た適当な返事だった。
1階から外に出れる階段にさしかかった時外の道路を綺麗にならんだ自衛隊の2列縦隊が横切った。
「外はすごい警備だね。マムシ森の中にも兵隊でいっぱいかな?」
リョウは俺の後ろに隠れながら、顔だけ出してキョロキョロ辺りを見渡した。
「3人ゾロゾロ歩いてたらすぐに見つかるな。よし、俺が見に行ってくる。リョウはおばさんと団地の中で隠れてるんだ。」
「えっ!よしなさいよ!こんな中じやすぐに見つかっちゃうわよ。違うところを探しましょ。」
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