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しかし、そこは完全に道では無くなっていた。
コンクリートの壁がきっちり敷き詰められている。高さは2、3メートルはありそうだ。
「くそっ!」
舌打ちしながら細道の回りを見ても、その冷たく固く整列している壁が途切れているところはなさそうだった。
「ここからじゃダメか、、」
そう思いながら、また周囲を警戒しながら弟達のもとへ戻った。
「兄ちゃん!どうだった?!」
「ダメだ。コンクリートの壁みたいな物で塞がれてたよ。よじ登るにはかなり大きなはしごがいるな。」
「じゃあ、他を探しましょ!違うところは大丈夫よ!」
「たぶん、ですけど、他も一緒ですよ。あのコンクリートがこの団地を囲んでる。」
「そんな!ここから出れないの!嫌だよ!兄ちゃん!」
「唯一空いているところは正面のスロープだと思う。あそこから例の生き物や兵隊達を出し入れしてると思う。」
「じゃあ早くそこを見に行きましょ!」
そう急かしながら、リョウの手をひっぱりながら、足早に正面スロープの見えるところまで来たが、3人とも声を失った。
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