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1棟に向かう途中に警備員に何回か見つかりそうだったが、運よく金網の近くまで来れた。
しかし、金網の張ってある西側もあのコンクリートで完璧に塞がれておりコンクリートの壁を登るか壊すかしないと向こう側へは行けなさそうだ。
「やっぱりダメだ…。」
僕はもう何も考えられなくなっていた。
「兄ちゃんそろそろ時間だよ。戻らないと父さん達が心配する。」
「わかった。とりあえず戻ろう。」
今度も警備員に見つかる事なく元のおばさんの家までたどり着いた。
そこには既に父さんとカズキがいた。
「父さん、そっちはどうだった?」
「ダメだ。生きてる人を見つける前にこっちが喰われるか警備員に見つかって殺されるかどっちかだ。」
「兄ちゃん、そっちはどうだった?」
「いやっ。こっちもダメだ。団地の周りすべてをでっかいコンクリートで覆ってる。」
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