灰食

プロローグ

３年前の夏、日本で環境についてのサミット、｢名古屋サミット｣が開かれた。

各国の首脳陣が出席し、今までかつてないどエライ会議が開催された。そこへハイジャックされた大型旅客機が突っ込んだ。

不幸中の幸か会議に出席していたお偉いさん達は軽い怪我ですんだ。

しかし、世界中の視線は悪い意味で名古屋に集まった。
日本の警備体制の緩さを批判され、世界的な地位を下げられ、日本の株は崩れた。

そこで世界からの信用を回復しようと政府はいろいろな政策を打って出た。
その一つが今の｢外出禁止地区特令｣である。

内容はある一定期間、国民を自宅に閉じ込め何もさせないという幼稚な考えであった。

かなりの反対があったが、与野党共にがっちり息を合わせ、すんなりこの特令は成立した。

さらに意外な事にこの特令は世界でも注目され、今では世界の６０％の国で同じような法令が出されていた。