成れの果て

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ごくありふれた失恋だった。 高校で初めて出来た彼氏。 それはそれは夢中になった。 自分の、ありとあらゆる『初めて』を経験させられて、もうその男の事以外考えられなくなっていた。 それがたった半年程度で、あっけなく振られてしまった。 まるで断崖絶壁に立たされた様な、16年生きてきて、初めて生きる希望を見失った。それ程の絶望だった。 諦めようと、忘れようと努力もした。何人か無理やりにでも付き合えば忘れられるかもしれないと、浅はかに他の男と付き合ったりもした。 けれどそれは逆効果で、ますます想いが募るだけだった。 ーー もう何でもいい。どんな手を使ってもいい。彼のそばに居られたら。その体温を感じていられるなら。 そう考えて、突っ走った結果。 気がつけば『都合のいい女』に成り下がってしまった。 馬鹿な女の成れの果てである。
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