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「あー。あのバカ兄貴のせいで遅刻すんだろうが!」
「まぁまぁ、楽しんでたじゃん?」
二人はまさに喋りながら風の様に学校に続く道を走った。
現時刻7時57分。
登校中に転移を使ってはいけないという校則により、転移は使えない。
流石にGISが校則を破る訳にはいかない。
つまりは走るしかないのだが…走ると平均20分はかかる。
時刻は先程も書いたように7時57分。
8時15分までの登校になっているこの学園では遅刻を意味していた。
「間に合うかな…」
「無理♪」
レイの真面目な問いに、ミエルは答える。間違いなく不真面目に。
「風…使って良いと思うか?」
「無r…じゃなくて、それなら大丈夫じゃない?」
流石に二回目の無理には若干殺気を出したのでまともに答える。
「よし、使うぞ」
その言葉と同時に、レイは身体に風を纏わせる。
ミエルも同様に纏わせた。
身体に纏わせた風は脚の部分では空気を減らし、空気抵抗を落とす。更に風を使って、彼らの周りに流線形に近い形を作る。また口の周りには高濃度の酸素を満たした。
二つの暴風は、学校までの道程を10分で走りきった。
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