~闇に煌めく紅~

11/17
2516人が本棚に入れています
本棚に追加
/436ページ
「お前……いっぺん死んどくか?」 アルの後ろでは、阿修羅+不動明王のコンボが完成していた。 「いや……マジで落ち着きましょうね。 取り敢えず、後ろのヤバそうなオッサン二人を消して下さい」 引きつった笑顔で後ずさりしながら言う。 「思いっ切り職権濫用じゃねーか!」 「上の許可はとったもーん」 ふてぶてしい態度でそう言った次の瞬間には、フォルスの体は宙を舞っていた。 「ふぅ……少し落ち着いたな」 握り締めた右手を見て、小さく息を吐く。 「あっ……あと…もう一人……来るから…」 机に手を掛けながら何とか顔を覗かせて言う。 「あ?もう一人って……」 「こんにちは~!フォルっちはいるかなぁ~?」 アルの言葉を遮り、勢い良く扉を開けて入ってきたのは赤いコートを着た小さな子供。 茶色のさらさらした髪、吸い込まれそうな程鮮やかな翠色の大きな瞳、甲高い声に無邪気な笑顔。 背丈はアルの胸辺りまでしか無い。 「あれあれ~?アルくんだ!久しぶりだね!」 アルの存在に気づくと、小さな体をその前にもってきて無邪気に笑いかける。
/436ページ

最初のコメントを投稿しよう!