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「お前……いっぺん死んどくか?」
アルの後ろでは、阿修羅+不動明王のコンボが完成していた。
「いや……マジで落ち着きましょうね。
取り敢えず、後ろのヤバそうなオッサン二人を消して下さい」
引きつった笑顔で後ずさりしながら言う。
「思いっ切り職権濫用じゃねーか!」
「上の許可はとったもーん」
ふてぶてしい態度でそう言った次の瞬間には、フォルスの体は宙を舞っていた。
「ふぅ……少し落ち着いたな」
握り締めた右手を見て、小さく息を吐く。
「あっ……あと…もう一人……来るから…」
机に手を掛けながら何とか顔を覗かせて言う。
「あ?もう一人って……」
「こんにちは~!フォルっちはいるかなぁ~?」
アルの言葉を遮り、勢い良く扉を開けて入ってきたのは赤いコートを着た小さな子供。
茶色のさらさらした髪、吸い込まれそうな程鮮やかな翠色の大きな瞳、甲高い声に無邪気な笑顔。
背丈はアルの胸辺りまでしか無い。
「あれあれ~?アルくんだ!久しぶりだね!」
アルの存在に気づくと、小さな体をその前にもってきて無邪気に笑いかける。
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