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「やった~!学校だぁ~!」
「……え?」
全てを話し終えた後アルの期待に反し、シャムは年甲斐もなく嬉しそうに飛び回る。
「あんな所に行くんだぞ。勉強しなきゃいけないんだぞ」
「知ってるよ~。僕、密かな夢だったんだよね~。甘酸っぱいスクールライフをおくること」
顔をひきつらせて露骨に嫌がっているアルに対し、シャムの脳内では学校生活が始まっているらしく、頬が緩みまくっている。
「お前なら何度でも入れるぞ」
「やだなぁ~。お世辞言っても何にも出ないよ」
事実を述べるが、妄想に浸っているシャムはあまり気にもかけない。
「はい!けって~い!
出発は明日ね。以上!解散!」
すっかり元気を取り戻したフォルスが無理矢理まとめる。
「ちょ!お前!俺はまだ……」
「よしっ!準備しに行こうアルくん!一番下までダッシュだ!」
「おっ、おい!シャむぁぁぁぁ……」
必死に粘ろうとするアルの手をシャムが引っ張って、部屋を飛び出していった。
アルの虚しい悲鳴が螺旋の階段にこだましていった。
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