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「こちらになります」
「……これ?」
アルが口をあんぐりと開けて前方を見つめる。
その先には、巨大な鉄の柵、白い壁は果てしなく続き、その中では噴水を中心に緑に花が咲き乱れ、それを囲むように巨大な城のような建物が建っている。
「はい、間違いありません」
笑顔でそう言うソフィをよそにアルの驚きは止まない。
「ん……あっ!よだれ垂らしちゃった」
「こんっの馬鹿やろうが!」
背中で目覚めていきなり爆弾発言をするシャムをそのまま背負い投げる。
これには、アルの驚きも飛んでいったようだ。
「うぁ!あっぶないなぁ~」
寝起きにもかかわらず、シャムは華麗に空中で体を翻して地面に着地する。
「あり?何で僕はアルくんの背中で寝てたの?んで、横の美人さんは誰?」
「初めまして。ソフィア・カーストンと申します。ソフィとお呼び下さい」
「あぁ、ダークの人だね。よろしく~」
にこやかに握手をかわす二人。
「お~い。取りあえず……シャムこの野郎!」
笑顔で呼んだ後に、物凄い剣幕でいきなり殴りかかる。
が、シャムにその拳は容易く掴まれた。
「アルくん……年上には敬意を払わないとね」
「お前は都合が良すぎるな」
黒い笑顔の二人の間には火花が飛び散りまくっている。
どうすることも出来ないソフィは、ただ慌てふためいていた。
「お二人とも……」
「邪魔よ!」
ソフィがなんとかなだめようとしたその時、聞き慣れぬ声が三人に投げ掛けられる。
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