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螺旋の階段は途中で平らになっている場所があり、そこには部屋が幾つか並んでいた。
そんな光景を何度も横目で見ながらひたすらに階段を上がっていく。
「何とかならないのかこの階段は……」
目の前に果てしなく続く石の階段を見て、大きくため息をつく。
しばらくして、一つの扉の前で止まる。
鉄製独特の重苦しさの漂う扉だ。
「入るぞ」
ノックも無しに遠慮の欠片も感じない足取りで入っていく。
棚が両側に立ち並び、様々な書類が辺り一面に散乱してる。
そんな中、机に足を乗せ、椅子にふんぞり返って寝ている男が一人。
「チッ。こいつの寝顔は無性に苛立つな」
豪快ないびきをかく男の前までやって来て、嫌悪感丸出しで言う。
「ターゲット、ロックオン」
人差し指と中指を男の半開きな両目に合わせる。
「発射」
「ギャーース!」
アルの指は見事に両目に命中し、男は有り得ない叫び声を上げながら椅子から転げ落ちていった。
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