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「痛っ……誰だこのやろ!あっ……お疲れ様です」
勢い良く机の裏から出て来るが、目の前にいた阿修羅に気付くと態度が豹変する。
「気持ち良さそうに寝ていたな、フォルス。
……永久に眠らせてやろうか?」
「いや……勘弁」
笑顔で言い寄るアルだが、右手の拳は血管が浮き出るほどに握り締められている。
命の危機を感じて平謝りしているフォルスと言う男。
アルと同じタイプで白色のコートに身を包み、肩に少しかかるくらいの金髪、身長はアルより頭一個分ほど高く、三十前半ぐらいの歳に見える。大らかな雰囲気を受ける青年である。
ちなみに階級的にはフォルスの方が上。
「おら、報告だ。黙って聞いてろ」
「まったく、もう少し目上を敬うと言う気持ちをだね……」
「何か言ったか?」
「滅相もございません」
ブツブツと文句を呟くフォルスを一喝で黙らせて、淡々と報告をする。
不満げな表情は崩さないが、それでも報告はしっかりと聞いているようだ。
腕を組んで椅子に座り、瞳を閉じている。
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