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「……と、こんなもんか」
「なるほど、ご苦労様」
「そう思うなら仕事しろこの野郎」
笑顔で言われて、笑顔で目つぶしを喰らわす。
「ニギャーー!目が!目が!」
その反応に満足げなアル。
「何で笑顔で労ったのに、目つぶし喰らうんですかねっ!」
「お前の笑顔は根源的な苛立ちを覚えさせるんだよ」
目を見開いて迫ってくるフォルスの頭を抑えながら冷静に言う。
「くっそ~!お前なんかだいっきらいだ!」
「イタい子だな、お前」
頬を膨らませて拗ねるという、今どき女の子でもやらないベタな事を普通にやる上司に呆れるしかないアル。
故に、深く溜め息をつくしかなかった。
「……んで、もう出てっていいか?下でダークの連中と約束したからな」
ちなみに、黒いコートを着ている人々をダーク、アルのような赤いコートはクリムゾンと呼ばれる。
クリムゾン、ダークの順に偉く、フォルスは全体を統括する隊長の立場にある。
白のコートはトップであるフォルスのみ。
「分かったかい?意外と僕は偉いんだよ!」
「誰に喋ってんだ、この野郎。質問に答えろ」
「ノゥァァァーーー!」
三度目の目つぶしが自慢気なフォルスに直撃した。
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