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「まったく……せっかちだなぁ」
「お前が鬱陶しいからだ」
何とか、三度目の生還を果たしたフォルス。
「そうそう、ちょっと待ってね。次の任務の説明をしたいから」
そう言って、机の上に散乱した書類を体を潜らせるようにして漁りだす。
「お前……少しは整理しろ」
「うん……考えとく……」
アルの忠告も軽く流して、漁る事に専念し続ける。
「おっ、あったあった」
ちょうどアルが溜め息をついた時、フォルスが一枚の紙を書類の山から取り出して高らかに上げた。
「はい、これ。ちゃんと目を通しておいてね」
「あぁ……」
受け取った書類に視線を落としながら、扉へと歩いていく。
が、固まったように途中で立ち止まる。
「これで……合ってるのか?」
怪訝な表情で書類をフォルスに返す。
「ん?どれどれ……うん、これで合ってるよ」
少し見た後、笑顔で再び返される。
「だってこれ…………魔法学校のパンフレットじゃん」
手でつまんで、ひらひらとさせながら言う。相変わらず怪訝な表情だ。
「うん。だって、君には魔法学校に入って貰うから。必要でしょ」
「……はぁぁぁぁ!?」
その叫び声は、螺旋の一番下にいるダーク達にも聞こえたそうだ。
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