七夕の二人

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綺麗な お顔を叩いたものだから 目の前にいてる彼は 抱き締めてくれていた時の優しい顔ではなく、最初の偉そうな彼に 戻って『謝れ』って言った。 私は まだ真っ赤になっている自分をごまかしたくて 泣きながら抗議した。 絶対 又 暴言をはかれると思って身構えていた時 お母さんの声が聞こえた。 彼は お盆の横に置かれている短冊に驚いていたというか意味が わからない様子だった。 この地方では七夕に短冊を書くと みんなの願いが幸せを運び 一年中 無病息災で いられるという迷信がある。 だから 短冊を沢山書けば書く程 みんなが 健康で幸せで いられる。 そんな意味があったから お母さんは この見ず知らずの男の子にも 短冊を書いてねと勧めたんだ。
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