第一節

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「霊女…」 真新しい制服に身を包み、長い黒髪をポニーテールにして私は呟いた。 私の名は海野光。 今年この桜ヶ丘神霊女学院に入学が決まった新入生。 「そんなにまじまじと見なくても、何度も見たでしょう。それに、これからは毎日見るんだから」 「母様…それはそうですけど」 私は一度母を振り返り、また学院を見上げて呟く。 これから毎日通う場所。 ついこの間まで中学生だったのに。 「…では母様、行って参りますね」 「連休には帰って来るのよ」 「はい」 短い挨拶を交わし、私は学院内へ向かう。 荷物は世話係が持っているので、私自身は手ぶら。 持っているのは携帯一つ。 本当はこういうのは嫌なのだけど、世話係の華代乃さんも母様も、私に持たせてくれない。
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