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荷物の整理が終わった後、私は理事長室へと足を運んだ。
部屋の扉を叩いて声をかける。
「姫香です。書類をお持ちしました」
「お入り下さい」
中から若い女性の声が響いて、私は中へ入った。
「改めて、ようこそお越し下さいました。我が学院はいかがですか、姫様」
中に居た女性がにっこりと笑って言った。
そう、私の本来の姿は、この日本国の姫。
名前は姫香。
彼女は私が姫であると知っている人物のうちの一人。
長い髪を三つ編みにし、ビシッとスーツを着こなしている。
この女学院の理事長で、名は大林(オオバヤシ)夏菜(カナ)。
とても美しい女性。
仕事以外になると…性格はアレだけど。
「とても良い印象ですね。ただやはりというか、傍目にはあまりよろしくない行為をする人もいるようです」
「そうですか。気をつけて見てはいるのですが」
夏菜は手を組み、考え込む。
…やっぱり、黙ってれば美人なんだけどなぁ。
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