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どうしていつも、一番に彼の名前が出るのだろう。
いつも神崎に甘えてしまう。
恋人であるその人のことだって、ちゃんと好きなのに。
私はいつも、強い子だと言われる。
だけど、誰より私が、自分自身のことを分かってない。
「分かんないよぉ…」
震える肩を支えてくれる人は、今ここには居ない。
涙は出ない。
泣かないと決めた。
だけど私は強くない。
強くなんてなれない。
だって私は、本当は一人なんだもの。
怖くて、本気で人と関われない…ただの臆病者なんだもの。
私は眠る山川さんをそのままにして、部屋をあとにした。
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