第一節

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† 部屋に戻った私は、ベッドに山川さんが居ないのに気付いた。 キッチンの方を見ると、山川さんは居た。 私はどこか安心して、窓際のソファに座る。 「海野さん、紅茶と珈琲どっちがいい?」 「あ、ありがとう。紅茶でお願い」 キッチンから顔を覗かせた山川さんに軽く返し、机の上に置いてあった本に手を伸ばそうとした。 ───本まで、届きはしなかった。 「───っ…!!」 私が伸ばした左手を、何かが貫いていた。 矢だ。 昼間、山川さんに向かって飛んできたものと…恐らく同じだろう。 「海野さん?どうし───」 「来ちゃダメ!」 …遅かった。 山川さんは既に顔を出し、私の手から流れる血を見て青ざめていた。 「ぁ……あ…」 悲鳴をあげるかと思った瞬間、 バンッ! 「おい、今───!」 一人の少女が駆け込んできた。 彼女は… 「小林さん…」 「ちょっと優!何事!?」 小林さんの後ろから、サヤも駆け込んでくる。 そして、私を見て絶句した。
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