第一節

21/21
前へ
/50ページ
次へ
違う。 彼は、違う。 「クレイ……」 「!」 私がクレイヴァを見ると、彼の表情が変わった。 「……今日は挨拶だけにしといてやる。力が戻り始めたら…シャルティアは連れて行く」 そう言い残し、クレイヴァは消えた。 夢だったんじゃないかとすら思った。 今日1日の出来事全てが。 だけど、左腕に集中した傷がズキズキと痛み、夢ではないということを物語っていた。 明日目覚めたら…普通の朝だといいな。 この傷も痛みもなくて、 床の血の跡もなくて、 普通に笑って高校生活を送りたいな。 いつの間にか私は、眠りについていた。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加