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今朝の目覚めは、あまりよくなかった。
何だか、とても切ない夢を見た気がする。
あまり覚えてない。
…ただ、昨日の“アレ”は、夢ではなかったようだ。
左腕に残った傷が、まだ少し疼く。
今、何時?
時計を見ると、まだ5時。
有り得ないし…。
兎に角、目が覚めてしまったのは仕方がない。
私は起き上がり、机の方に向かった。
鞄からノートパソコンを取り出し、机の上に広げる。
同時に、山と積み上がる書類もその横へ。
パソコンを起動し、書類一枚一枚に目を通しながら文字を打ち込んでいく。
と言っても、パソコンの方は見ていない。
母親譲りの、「速いね」とすら言ってもらえるブラインドタッチ。
母様はもっと速い。
この山積みの書類も、私で二時間半かかるところ、母様なら二時間足らずで終わらせる。
流石と言うべきか、顔に合わないというか…。
あれは超人的よね。
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