第二節

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7時半。 書類の始末が終わった頃、寝ぼけ眼で山川さんが起きてきた。 元々が天然パーマなのか、昨日のストレートの髪が、今は波打っている。 「あれ…海野さん、朝食は?」 「ああ、私料理ダメだから、食堂に行こうかと思って」 制服に着替えながら聞く山川さんに、私は苦笑して返した。 そう。 どうも料理はダメなのよね。 過去のトラウマが…。 ああ、もう。 思い出したくもない。 「だったら、私が作ろうか?」 「へっ?」 あまりに唐突な言葉に、私は間抜けな声をあげた。 「朝食もお弁当も夕食も、私が作るよ。食堂使う時は言って?自分のだけにするから」 惜しみなく平然とそう言ってのけるので、 「う…うん…」 お願いしてみることにした。 山川さんは制服の上からエプロンを着ると、キッチンへと消えていった。 はてさてどんな料理が出てくるやら。 確か、“彼”から聞く限りでは、彼女の料理はとんでもなく美味しいんだとか。 食べてみる価値はありそうだ。
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