第二節

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「…出来た」 声が上がったので、キッチンの方へ行った。 何とも美味しそうな… 見た目と香りだけでも食欲がそそる。 出来上がったいくつかの料理を運ぶと、山川さんは弁当箱を二つ持って出てくる。 「中身は朝食と変わらないよ。お弁当箱なかったから、私ので悪いけど」 ああ、そういえば、作る気なかったから持ってきてなかったかも。 「ありがとう。今日買ってくるから、帰るの遅くなるね」 「うん」 山川さんは少食なのか、弁当箱が小さい。 私はかなり食べるから、あれでは足りない。 やっぱり大きいの買わなきゃ。 今日はまぁ…食堂も行けばいいかな。 せっかく作ってくれた山川さんには悪いけど。 思いつつ、出されている料理を口に含む。 「………」 言葉にならない。 それほどに美味しい。 何か…何か感想でも言わないと…。 「おっ…美味しいね」 ………あぁ、もう。 何なのそのものすごく普通な感想は。 ほら、山川さんも呆れて… 「ふふっ…ありがとう」 呆れて…ないわね。 初めて見る山川さんの笑みに、私はまた、言葉を失った。
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