過去……。

5/18
前へ
/72ページ
次へ
彼の車は早かった。 窓から入ってくる風。 人や街並み。 そして、雅人との想い出。 全てが通り過ぎて行った。 『なぁ、これから走りに行くけど、一緒に来るか?』 「行って……みようかな?」 『よっしゃ、じゃあ。決まりな。 あっ、俺、翔。泣き虫は?(笑)』 「ムカッ、泣き虫じゃないもん。梓だもん」 『そっかぁ、梓、よろしくな』 貴方は、私の髪をクシャッとするように撫でてくれたよね 久々に誰かに触れられた気がした。 今、思えば貴方の事。……好きになっていたのかもしれない。 翔が運転している、姿。 ハンドル捌き 全てにドキドキしていた。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加