白ウサギの心が死んだ。《後編》

6/6
238人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
何度も何度も呼んだ。 愛しい彼女の名前を。 いつの間にか直ぐ後ろに、陛下が立っている事に気付いたけれど。 それすらも構わないで、ただただアリスの名前を呼び続けた。 (頭の片隅で、酷く冷静な僕が、アリスは死んだ、殺されたんだと言っても、耳を塞いで呼び続けた。) それがどんなに愚かでみっともない事だとしても アリスがもう一度笑って僕の名を呼んでくれるなら 僕はどこまでも、みっともなくなろう。 だって、アリスこそが僕の全てなのだから。 (もう一度、頭の片隅で声がした。アリスを殺したのは、双子の門番なのだと) (門番を殺せ、と、抗いがたい声がした) Side Peter=White END
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!