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何度も何度も呼んだ。
愛しい彼女の名前を。
いつの間にか直ぐ後ろに、陛下が立っている事に気付いたけれど。
それすらも構わないで、ただただアリスの名前を呼び続けた。
(頭の片隅で、酷く冷静な僕が、アリスは死んだ、殺されたんだと言っても、耳を塞いで呼び続けた。)
それがどんなに愚かでみっともない事だとしても
アリスがもう一度笑って僕の名を呼んでくれるなら
僕はどこまでも、みっともなくなろう。
だって、アリスこそが僕の全てなのだから。
(もう一度、頭の片隅で声がした。アリスを殺したのは、双子の門番なのだと)
(門番を殺せ、と、抗いがたい声がした)
Side Peter=White END
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