帽子屋は彼女への愛を確認した。

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「―――……どうした、エリオット」 呟くとエリオットは小さく肩を跳ねさせ、私の傍に歩いて来た。 何とも言えない表情でアリスを見て、私に視線を移す。 「………白ウサギが、アリスに逢わせろって言ってるぜ」 「……、そうか…もう、気付いたというのか」 まだアリスが死んだという事は屋敷内から漏れている筈がない。 ……恐らく、何か感じるものでもあったのだろう。 「解った…直ぐに行こう」 言いながらアリスから離れようとし、何となくもう一度彼女に視線を落とす。 暫く彼女を見つめた後、冷たくなったその手を取って、手の甲に恭しく唇を落とした。 「………君は本当に愛されて居るよ、アリス」 これからこの屋敷に訪れて来るであろう、彼女を愛する者達の事を思い小さく呟いた。 ~Side Blood=Dupre END~
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