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「よ、よう…」
「うん」
「今日、授業何があったっけ?」
「待って、調べるから」
瑠偉はそう言うとその場に屈み込む。
綺麗なウェーブがかった髪を掻き上げる姿は、湯村にとって魅力的に見えてしまった。
「現文、数学、現社、科学、昼休み、お弁当、何かな?」
「待って、現文、数学、現社、科学……、うん?」
教科書とノートを取りながら、瑠偉を見る。
瑠偉は小さく笑うとロッカーを開ける。
そして、教科書とノート、ファイルを胸に抱くと湯村を見る。
その目は、湯村の反応を伺うようだった。
「五限は?」
「昼休み」
「六限は?」
「お弁当」
「7限は?」
「何かな?」
しばらくそのまま見つめ合う。
瑠偉は笑顔のまま瞬きをして見せる。
それを見て湯村は笑わずにはいられなかった。
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