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「三井って実はそんな子だったんだ」
「えっ?知らなかった?」
「ところで五限、六限は何?」
「家庭科、保健だよ!」
湯村はそれを手に取ると瑠偉を見る。
瑠偉と目が合った瞬間、二人で笑い合う。
湯村が荷物を持つのを見ると瑠偉が背中を向ける。
そして、二人は朝同様隣り合い、些細なことを話しながら教室へ戻る。
湯村は微かに聞こえる雨音に瑠偉と話せるきっかけを作ってくれたことを感謝せずにはいられなかった。
隣りで笑う瑠偉。
それを見て、また胸に灯る火が静かにその火力を上げる。
ただ、湯村は瑠偉との会話に夢中になり、その変化を感じることはなかった。
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