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「俺はいいけど……。部活引退しちゃったし……」 「ほ、本当?!何か今日は湯村君と話す機会が多いからさ!もっと話したいなって……。三年間一緒のクラスなのにあんまり話したことないしね……」  瑠偉は言葉と裏腹に顔を上げようともしない。  しかし、そんな姿を見て湯村の心は淡く色付いてしまっていた。 「じゃぁ、授業が終わったら……待ってる」 「うん……」  また黙り込む二人。  湯村も瑠偉につられてうつむいてしまう。 それでも二人の間には、口に出さない言葉が発せられているようだった。
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