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もう寒くなってきた。
>>買ったばかりのマフラーも風になびいて逆にうざったい。
>>踏むと乾いた音を奏でる落ち葉を、小気味が良いなぁ、なんて思いながらいつもと同じ道を歩く。
>>そう、いつもと同じ制服、いつもと同じ教室に押し込まれ、いつもと同じ友達と、いつもと同じ勉強をするために、いつもと同じ道を歩く。
>>世間では、受験だなんだと騒ぎたて始める季節である。
>>来年の冬は我が身であるセンター試験も、今年は他人の身なので鼻で笑っていられる。
>>来年の今頃の僕は、絶対合格のハチマキを巻いて、栄養ドリンクを片手に問題集を必死になって解いているんだろうな、と、わざとオーバーな想像をしてみる。
>>
>>高校生なんて時期は、1年先の事も遥か遠くに感じてしまう。まるでやってこない未来のように。
>>そこまで考えた所で、駅に着いた。いつもと同じ時間だ。
>>
>>普段は待ち合わせの約束すら守れない、時間にルーズな僕でも、毎日駅に着く時間だけは変わらず7時ちょうど。
>>本当はもう少し遅くても学校には余裕で間に合うのだ。でも、僕にはその時間に駅に着かなければいけない理由があった………
>>
>>――――あれはちょうど3ヶ月前。
>>
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