運命その1。

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「先日の投票の結果、小鹿祭の対抗劇の主役は榊君に決定しました。」 「おめでとっ!宙ちゃん!」 「…。」 「主役だよ?もう皆優勝狙えるって大喜び!」 「ハチ。」 「なに?」 「投票っていつやった?」 「こないだ担当者が、主役は宙ちゃんでいいか聞きにきたよ?」 それって投票?まぁ、投票だけど…。てかそういうのって立候補した場合とかの方法だろ。 てか、俺の意見は? てか、その聞き方で決まったってことは、満場一致てきな感じってことだよな。 「宙ちゃん?どしたの?そんな顔して。」 「では、反対意見もなかったので、よろしくお願いしますね。榊くん。」 万遍の笑みで担当者が俺を見る。 「やっ、あの…。」 「お願いします。」 意見を聞く気はないらしい。担当者は相変わらずの笑みで俺を見る。微妙に目が笑ってないんですけど…。 誰か一人くらい助けてくれないかと、周りを見渡す。 …、皆担当者と同じ顔してる…。 ふっとハチを見ても、同じだ…。 なにこれ、新手のいじめ? 「…はい。やらせていただきます…。」 「ありがとう。榊君。では、次に…」 見事に俺に勝った担当者は次の話に入る。
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