1章

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桜の花びらが満開の頃。 私は小学校卒業と同時に鹿児島から東京に転校してきた。 そしてこの春、中学生になった。 毎日が不安なまま1週間を過ぎようとしたある日。 同じクラスの男の子が私に話かけてきた。 「どうしたの?」 「…。」 私は何も話せなかった。 次の日の朝、私は教室の窓から空を見てふとこう思った。 「なぜ空は心と同じなんだろう。」 なんて思っていたら昨日私に話かけてきた男の子がまた話かけてきた。 「どうしたの?」 その子は昨日と同じことを言ってきた。私は勇気を出して話した。 「私、東京初めて来たの。」 その男の子は言った。 「もしかして噂の転入生?」 「えっ?」 私はその男の子の言っていることがよくわからなかった。 「ピアノの全国大会で最優秀賞採った鈴木茉李ちゃんでしょう?」 「うん…。」 私は3歳の時からピアノを習っていた。小学校6年の夏に全国大会までいき最優秀賞を採った。 「やっぱりそうなんだ。僕もピアノを習っていて去年の夏に関東2位で全国大会出場できなくてテレビでみていたんだ。そしたら君が1番印象に残ったんだよ。」 「そうなんだ。ありがとう。君は何て名前?」 「俺、中村拓真。よろしく!わからないことがあったら何でも言って東京には詳しいから!」 「よろしく。」 私は拓真に恋と言うものをした。空を見るとさっきたくさん降っていた雨も私の心のように晴れていた。 私はまた思った。 「なぜ空は心と同じなんだろう。」
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