太陰之章 参

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そんなことを考えていると、寛劉の足音がさらに近づいてくる。 そして真顔で提案した。 「白虎帝のお姫様があんまりアブナいことしないように……その蔓、もっときつく縛り上げてやろうか?」 「えっえええ遠慮しときますーっ!!!!」 高麗は慌てふためき全力で否定する。 すでに巻き付いている蔓から逃れようと体を揺らしもがくと花の香りが仄かに立ちのぼり蔓がキシキシと音を立てた。 キシキシ……ブチっ。 「「!」」 音を立てて……植物の蔓が千切れてしまった。 「うわぁぁっ!?」 「ば、馬鹿!」 落ちてきた高麗を寛劉が突差に抱き止める。 一気に両腕にかかってきた一人分の重さに耐え、抱え込むようにして高麗を守ると、寛劉はその顔を覗き込む。 高麗が暫しの間茫然として間近にあるその顔を見つめていると今度は花の香の代わりに煙草の香が鼻腔をくすぐった。
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