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「白虎帝の大事な姫神様を勝手に虐めたりしちゃ色々とまずいし……」
いつの間にか高麗が白虎帝の所有物のように言われてしまっているがここも突っ込んではいけない気がした。寛劉は続ける。
「……とにかく、俺が手出ししたりして良い相手なんかじゃないんだよ、高麗さんは」
「……? ……は……はぁ……」
今ひとつ理解出来ない寛劉の言葉を無理矢理自分に納得させるように高麗は小さく頷く。すると寛劉は抱えていた高麗を地面にそっとおろした。
久しぶりに地に足がつき心なしかホッとしているように見える高麗を寛劉はそれとなく眺めていた。
「姫君様、寛劉殿」
突然背後から響いた女性の声。何か悪い事をしたわけでもないのに高麗と寛劉の二人はドキリとして反射的に互いの距離を取った。
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