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「顔あげてください……思い止まらせるって……誰にですか?」
――…この国の戦争というのは一人の人間の一存で決まってしまうものなの?
同じ姿勢のまま、顔だけをあげて彼女は答えた。
「私の主……白虎帝翠馨様です」
「え……っ」
高麗の思考が一時停止する。
――…あの翠馨さんがこの国に戦乱の期を来たそうとしている? それも、部下である猟影さんが危惧するほどの……?
『まさか。かまをかけただけだよ。違うと言ったら違うと言ったで構わない』
『姫神殿の世界ではそんな陰謀暗殺はなかったのかな?』
『それじゃ、また会おう可愛い姫神殿』
確かに何を考えているかよくわからないし、人をからかっているようで腹が立つところもある。
しかし、そんな欲深い人間には見えない。権力や名誉を求める性格にも見えない。
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