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「姫神か……」
翠馨は静かに喉を鳴らして笑った。
――(……だけど私が手に入れたいのは栄光なんかじゃない。
栄光をめぐる陰謀と殺戮……刺激だよ。味気ない日々に彩を添える刺激)
「……姫神……」
だれに聞かれることもなく呟く印虎。もしかしたら今日喋った最初の言葉かもしれない。
――(……くだらない……王位になど興味はないのに何故皆は懸命になるのだろう。
どうでもいいことなのに……また私は引きずり込まれ放り出されるのだろうか)
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