前章-四神之序

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  「姫神か……」 翠馨は静かに喉を鳴らして笑った。   ――(……だけど私が手に入れたいのは栄光なんかじゃない。 栄光をめぐる陰謀と殺戮……刺激だよ。味気ない日々に彩を添える刺激)     「……姫神……」 だれに聞かれることもなく呟く印虎。もしかしたら今日喋った最初の言葉かもしれない。   ――(……くだらない……王位になど興味はないのに何故皆は懸命になるのだろう。 どうでもいいことなのに……また私は引きずり込まれ放り出されるのだろうか)    
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