オモチャ工場

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  いつものように黙々と"包装紙に包まれた何か"を箱に詰めていた時だった。   「ん?」   手に違和感を感じる。この感触は紙じゃない。包装紙に包まれた何かが直接手に当たっている。   よく見ると包装紙に亀裂が入っていた。     「……」   もしかしなくともチャンス到来。従業員の目を盗んで包装紙をビリビリ破く。     「ッ……!」   俺は息を呑んだ。   つか、ないだろ。これはないだろ。というよりサンタの格好をしてまで作る物ではない。   包まれていたのは俗にいうバイブと呼ばれた物。目にするのは初めてだった。   「(大人の)オモチャ工場かよ」     俺は今、新しいバイト先を探している。  
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