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コウジを元カノから遠ざけて話しかけた
「合コンするみたいだけど、金あんまりないぞ」
と小声で言うと
「今日ぐらいおごってやるよ。んで、パッと見でどっちが良いんだ?」
コウジはニヤッとして聞いてきた。
少し考えてみたが元カノの顔を見た時点で答えは決まっていた。
「…やっぱりユウコかなぁ」
「何で名前知ってんだ?初対面だろ?」
コウジは不思議そうな顔をした。
慌てて言い訳を考えて
「んまぁ“名は体を表す”って言うだろ?昔から名前当ては得意だからなぁ」
と答えると、ふーんといった態度で女たちの所に戻った。
4人で街中の飲食店で食事をすることにした。
食事の席はコウジの策で横は元カノのユウコだった。
少し無言だったが、ポンポンとユウコに肩を叩かれて会話が始まった。
「ねぇ、ユキナリ君」
「なんで名前知ってるの?」
「ほら、クラブでライブやってたじゃん?あれ見て気に入ってからコウジに名前教えてもらったんだ♪」
そう言うと、ユウコはニコッとして顔をのぞき込んできた。
『そういえばこんな会話してたなぁ。そして、俺はこの笑顔がたまらなく好きだったなぁ』
過去の事ながら、胸がキュンと締め付けられている自分がいた。
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