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少しイライラしながら雪道の中を走らせた。
「ざまぁみろ、いい気分だ」
とつぶやきながらハンドルを力いっぱい握っていた。
「これで終わりだ」
と鼻で笑い飛ばした。
すると次の瞬間、スリップした対向車がクルクルとスピンしながら向かってきた。
慌ててハンドルをきると自分の車までスリップし始めた。
「まずい!!」
車がスリップした先はガードレールのない高さ10m近くある崖だった。
車は吸い込まれるかのように崖に飲み込まれた。
『もうダメだ』
と思うと急に周りの風景が止まって、静かに暗くなった。
ふと横を見ると、帽子を深くかぶった男がいた。
「こんにちは、お困りですか?」
男は話しかけてきた
「あぁ、俺はどうなってるんだ?」
「崖から落ちてるんですよ」
男は口元を笑わせて言った。
「どうなってるんだ?あんた誰なんだ?」
「私は、時の使者とでも言っておきましょう」
『何がなんだか分からない。夢でも見ているのか?』
「不思議そうな顔してますね。私は時を戻す事の出来る者です。」
男は静かに語り始めた。
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