雪の彼方に

look back again

気がつくと小さな十字架を握りしめていた。すると、頭の中で声が聞こえて
『どうですか?過去はいいですか?その今持ってる十字架を握りしめると私を呼ぶことが出来ます。時間をとばすことも可能です。それではご楽しみを♪』
と言うと、声は聞こえなくなった。

一通り授業を受けたが、懐かしさと感激であっと言う間に１日が終わった。
考えてみれば卒業以来顔をまったく見なくなってしまった人たちが、当たり前に集まっているのがなんだか嬉しくなった。

放課後、ふらっと帰ろうとすると
「村田君っ!体育祭の会議するんでしょ?」
と女子に言われて渋々教室に戻った。
『そういえばなかなか決まらなかったなぁ』
と思い出していた。

『そうだ!あの時決まったこと言えばいいんだ』
と思いついた。自ら挙手をして会議はスムーズに進んだ。
会議後、女子に
「村田君すごいじゃん!結局全部決めちゃった。実は頼れる人なんだね」
と言われたが。
『調子良い奴らだな、この時「何も言わなくて頼りにならない」とか言ってたくせに』
と心の中で笑い飛ばした。