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「お疲れ様でした!」
「あぁ、今日もお疲れさん……って着替えるの早いなあいつ」
そんな言葉も聞こえないほど既に遠く。
バイトが終わってすぐに着替えると、少年は外へ文字通り飛び出した。
自転車に乗っていないが、その足はすぐ横を走っている自転車よりも速く、いとも簡単に追い抜いて距離を広げていく。
行き先は次のバイト先であるファーストフード店。
たったいま終わらせてきたのはCDショップのバイトだ。
「やっべ、時間遅れそー」
腕時計を見て無意識に少年はそう口にする。
ここから次のバイト先までの道程は約二十分だが、バイト開始時間までの残り時間もぴったり二十分なのだ。
これもそれも、すべては最後の客がいちゃもんをつけてきて、その対応をやらされたせいである。
「しょうがねぇ、近道すっか…」
踏切が降りてくるのを遠目で確認し、確実に間に合わないと判断して少年は脇道へと入った。
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