日常>非日常

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   その脇道へと入った瞬間、まるで夢や幻を見ているような、何かに囚われ傍観せざるをえないような状況――そんな感覚に少年は身を震わせた。  風が吹いて木の葉を飛ばす。  木の葉はゆらゆらと漂いながら、ぽとりと地に落ちた。  その瞬間、パチパチと言いながら緑色だった姿を赤く染めあげる。 「あ、燃やしちゃった」  くすくすと笑いながら少女は消し炭になった木の葉を踏みにじる。  足を退けると、それは粉々で見る影もなくなっていた。  ふと少女は視線を感じ、地に落としていた瞳を上にあげる。 「貴方、だれ?」  少年と少女の視線が混じり合い、少年は口を開いた。   「俺は、稲沢……稲沢賢治」 「そう。それで何の用?」 「え?」  
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