日常>非日常

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   賢治が聞き返すと、少女は誰が見ても分かるくらいあからさまに眉を寄せた。  そして、つい、と病的なまでも白くて細長い指で賢治を指差す。 「用がないのなら、何故貴方は此処に居られるの?」 「用ってほどのもんじゃねーよ。俺はただバイト遅れそうだったからこの脇道通っただけだけだし」  ほらあそこから入って、と賢治は振り返る。  ちょうどあの場所から走って来てここに入ったのだと。  そう言おうとしていた。 「って、なんでなくなってんだよ!?」  振り返ってみると、賢治の目線の先には入ってきたはずの道がなかった。  "存在していなかった"の方が言い方は合っているのかもしれないが。  唖然としている賢治を見て、少女は呆れにも似た表情を賢治へと向けた。  そして指が下ろされ、首が軽く左右へと振られる。  
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