夢オチ

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「僕を殺しに来たの?」 俺の目の前には親友が佇んでいる。 「まぁ、それが君の仕事だからね。仕方ないとは思っていたけれど。こうして自分がターゲットにされると、ちょっと複雑な気分だね」 肩をすくめながら眉を下げて苦笑する親友。 「何か言い残すことはないか?」 俺が仕事をするとき、必ずそのターゲットには同じ言葉を掛ける。 「言い残すこと、か……」 今まで数え切れない程の人間から、十人十色の答えが返ってきたことを思い出す。 助けてくれと縋る者、恋人に愛の言葉を残す者。 何も無いと妙に清々しい顔で笑った奴も居た。 「君はその銃を気に入っているのかい?」 「それが言い残したい言葉か?」 いきなりの問いかけは、おそらく時間稼ぎのつもりなのだろう。 曲がりなりにも殺しを生業にしている人間にその手は通用しない。 それが分からない男でもないだろうに。 「はぐらかそうとしても駄目か」 言葉とは裏腹にその顔はどこか楽しそうだ。 これ以上時間を掛けていてはこちらのリスクが高くなる。 銃を構えた腕に力を入れなおし、照準を合わせる。
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