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窓に打ち付ける雨と、頭上に響く雷を聞きながら晩酌に耽る。
朝から怪しげな雲行きを見せていた空が、とうとうその機嫌を損ねたのがつい先ほど。
それからは下降の一途を辿るばかりの天空と、荒れる景色を見るのは非常に愉快だ。
子供の頃から雷を怖がることがなかった。
むしろその頃から、これを部屋から眺めるのが好きだった気がする。
外に居れば災難でしかないが、こうして守られている状況下ではその災難は降りかかってこない。
そんな安心感からか、ぼんやりと窓に打ち付ける雨を眺めていたら、今まで以上の雷鳴が頭上で轟いた。
同時に部屋中の明かりが消える。
(停電か……)
これほどの雷雨だ、停電になっても仕方ないだろう。
さほど驚きもせずにお気に入りの日本酒を一気に喉へ流し込んだ。
(不思議な感覚だ)
暗い部屋の中を照らす明かりは雷光のみ。
点いては消えるを繰り返すその自然の電球は、人間の意図を全く汲もうとしないのに、何故か人口の光よりも安心感を与えてくれる。
そんな思考をする自分は何と幼稚で滑稽か。
実に愉快だ。
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