土蔵の月

２

だが、上下左右に力を加えてみるとｽｯと底がずれて端が少しだけ持ち上がる。
大樹がおそるおそる底板をずらすと長さ40㎝、幅10㎝くらいの空間が現れる。
そしてそこにあったのは30㎝くらいの小さな刀。
「「「おおー!」」」
３人同時に歓声を上げる。
「こりゃあ守り刀ってヤツかな？」
しゃがんだまま大樹が目の高さまで刀を持ち上げる。
そして静かに柄を握り鞘から刀を抜く。
キイイイｲｲｲｲﾝ…
刀身のあまりのきれいさに３人とも思わず溜め息がもれる。