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3人が外に出ると昆虫たちのコーラスが耳に心地いい。 カエルの声も聞こえてくる。 しかし加代が異変に気づく。 「母屋が…!?」 まるで取り落としたようにポロッとつぶやく声に2人が目を上げて回りを見回すと、確かにおかしい。 水戸黄門で悪徳商人を懲らしめるときのセットみたいな光景が月明かりの中に浮かびあがる。 「…どこの家だ?佐藤さんち?鈴木さんちか?」 頭がギリギリ予想できる範囲で可能性を探りながら少しずつ目の前の母屋の脇を歩く。 加代も紗弥加も大樹の手をしっかり握ってついて来る。
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